山田倫太郎君の言葉
今日、日テレの24時間テレビをめずらしくゆっくり観た。
いろいろな企画の中で、水卜アナが師匠と呼ぶ山田倫太郎君の言葉と出会った。
倫太郎君は生まれたときから重い心臓病を患っていて、2歳の時には一時心肺が停止し、生死の境をさまよったほどだったそうだ。
その後も常に酸素供給が必要な状況で、左手の指先と首から上を思うように動かせない。
辛い治療を継続しながらも、学校に通い、中学生の時には本を2冊も出版している。
24時間テレビが彼を紹介したのは数年前、倫太郎君が13歳の頃で、水卜アナはその時彼と出会い、「人生何回目?!」と感じてしまうほど
大人びたおやじトークと胸にしみる言葉に心を動かされ、彼を「師匠」と呼ぶ。
そんな二人のやりとりが映像で回想され、倫太郎君の人柄と言葉に心が震えた。
「病気は個性のひとつ。自分の個性と価値観を大切にしてください。そうすれば他人の個性と価値観も大切にできます。」
個性と価値観を大切に…という言葉を初めて聞いたわけではないが、彼の放つ言葉は深く心に響き、その意味を自分に問いかけ、味わいたくなった。
いじめや偏見も経験しながらも、「自分が心臓病ではなかったら」とは考えないと言った。
「病を得て多くの人の助けで生きてきたこと、病の体で感じてきた全ての経験で今の自分になった。この個性を大切にしたい」というメッセージは、
私は、自分の個性と価値観をちゃんと知り、認めて大事にしてきたか改めて考えさせてくれた。
例えば自分の思いを口にした時、相手の反応次第で自分を責めたり、相手を否定してみたり、常に相手との関係で揺らぐ私の個性や価値観。
そんなことはやめようと思った。自分の個性から溢れる思い、言葉、行動を大事にしよう。
相手の反応も同じようにその人の個性から出たもの。自分が望むものでなかったとしても、そこを面白がろうと思う。
倫太郎君はユーモアがあって、相手の心をなごませ、放つ言葉に知性と力がある。
彼が人生で積み重ねてきたものが素晴らしい個性になり、周囲の人の心を打つ。
倫太郎君は18歳でこの世を去る。臨床心理士を目指し、心理学を専攻するため通信制の大学に進学したばかりだった。
山田倫太郎君の本・・・「医者をめざす君へ」「命の尊さについてぼくが思うこと」